私はもともと「『女性のための』キャリアセミナー」とか、
「『女性として』どう働くべきか」という
”女性”にフォーカスしたキャリアの考え方が嫌いでした。
当然、会社の「女性社員向け」イベントや
「ワークライフバランス」関係のイベントも完全無視。
今のように「”女性”起業家サロン」に加入する、
なんてことも、一切考えたことがありませんでした。

それは、自分が実際に結婚・妊娠するまで、
「キャリアを語る上において、自分が”女性”なのか”男性”なのかは、
 女性で損することもあれば、得することもある、
 なにかの得意不得意と同じようなレベルの話。
 キャリアアップや働き方において、
 あえて”女性”かどうかなんて意識する必要はない」
と思っていたからです。

当時も「産めるなら子どもを産み、そだてたい」とは思っていました。
でも「子どもを産む」ということについて
あまり具体的に意識できていなかったんだと思います。

そして何よりも「会社は『男女を公平に扱ってくれる』」と
信じて疑っていなかったんだとおもいます。
私が「『女性の』キャリア」を重視するということは、
男女のキャリア上の差異を認めてしまうことになってしまう。

私は、男性社員に負けたくなかったし、
現に別に負けてるとも思っていなかったし、
同じキャリアで生きる、と信じてガツガツ働いていました。
そういう自分がかっこいいと思っていました。

でも。

妊娠がわかってみて、キャリア上、
男女をおなじように扱えるなんて
幻だったんだなとわかりました。

会社に「妊娠している」と報告すると、
周りがとても祝福してくれて、
私の体調を配慮してくれるようになりました。

でも私はその周りの対応に、
とても感謝するとともに、
無視できないもやもや感を抱きました。
AKANE072122928_TP_V


私はつわりも特になかったので、
ある程度普通には働けたと思うし、
実際、働きたいという気持ちもありました。
ただ・・・

周りは私を配慮してくれているんだ
体調がいつ変化するかわからない中、
私に仕事を任せることはリスキーなんじゃないか
などなどなどなど・・・
ぐるぐると考え込むようになってしまいました。

この混乱は、これまでの私の男女に寄らない
キャリア観ではどうにも扱いきれないものでした。

このときはじめて、私は、キャリアを考えるうえで、
『女性』であることを考慮する必要があることに気がつきました。