8/17(木)経沢香保子氏主宰の女性起業サロンのオフラインイベント「バチェラー久保氏が語る『あなたがバラをもらう方法』」に備え、久保さんが出版した書籍を読みました。

著者の久保裕丈氏とは・・・
1人の独身男性を巡って25人の女性が争う恋愛リアリティ番組「バチェラー」の日本版「バチェラー・ジャパン」(Amazon Primeで独占配信)の初代バチェラー役を務めた方です。但し、本業は会社経営者(昔は通販会社をされていたとか)。したがって、本書は恋愛をビジネスの面から語る、という一風変わったテイストの恋愛指南書となっています。

恋愛をするとき、ガーッと燃え上がる、すぐ冷める、恋愛してるととにかく不安や不満が尽きない、等等パッションで恋愛する人にオススメの本です。
テクニックは基本のXXつの戦略に集約されていてシンプルでマスターしやすい。
本の後半は、よくある(?)恋愛相談に対し、久保さんが基本テクニックを使いながら回答しています。(余談ですが、前半よりも後半のほうが面白いです。徐々に、回答に久保さんの”素”がでてきます。)

p.99
愛って何ですか?
「勘違い」もしくは「決断」。
所謂「びびっときた」=フィーリング=勘違いから入って、ずっとそのままの感情を持ち続けるか、その人を愛することが合理的だと判断して、「愛する」と決めること。この感覚はよくわかります。ちなみに私は決断系です。(え、聞いてない?)

あと、以下の質問への回答は、恋愛へのアドバイスとしてというより、ビジネスのアドバイスとしてメモしました。
p.43
質問11 浮気相手との関係を断つべき?
あなたが目指しているゴールは、この女性と付き合うこと。それがどう努力しても達成できないというところまできたら、その時点でやめましょう。
経営で例えるなら、事業を起こしていつうまくいくかどうかを見極めるような話ですね。たとえばある事業を立ち上げて、「この市場を獲りたい」ってなった時に、何か月か試してみて、どうしてもうまくいかなくなったらすぐにピボット(事業転換)すればいい。
でも世の中の経営者って、意外とそれに気づけないんです。最悪なのは、なんとなく、ゆるく成長してしまうこと。それで黒字が出るのかは怪しいけれど、ゆるく成長してしまっているから踏ん切りがつかない。よく会社で見るのは、ゆるく成長して、かといって利益も出さないリビングデッドと呼ばれる状態。すぐに身動きが取れなくなるわけではないけれど、実は夢も希望もなくて、ゆるゆる死んでいく。だからこれは、理想の状態になれるのかを見極めて、無理だったらすぐ損切りしてピボットすればいい。
リビングデッドって経営本で見ていると「そうだよねー」くらいでスルーしてしまうくらい当然の話ですが、恋愛のような身近な事例に当てはめて説明されるとストンと腑に落ちますね。

p.63
質問23 夢追い人への恋、目を覚ますべき?
最終的には自己判断ですが、僕の経験上、恋愛でも会社を興すのでもそうなんですが、自分の目指す道の先のステージに言っている人の意見はだいたい正しい。アドバイスには「成功するためのアドバイス」と「失敗を避けるためんおアドバイス」の2種類があって、前者は状況によって変わりやすいので、場合によっては正しくないこともあるのですが、後者はだいたいあっています。
最近「他者からのアドバイスをどこまでどのように受け入れるのがベストだろうか?」と考えていたところだったので、非常にタイムリーなアドバイスでした。
p.95
質問42 彼女からのカミングアウトが辛すぎて別れたい
こういう過去のやらかした話って、一番困りますよね。罪の意識があったとしても絶対に腹に収めてほしいし、「これを受け止めてほしい」というのは、彼女の単なるエゴです。どんな男に言ってもいい結果にはならないので、「本気だったら言わないでほしかった」と告げて別れるのは誠実です。
読んで、ドキッとしました。
別に恋愛でこのテの過去の「やらかし」があるというわけじゃないですよ。ビジネスでよくこれに類するカミングアウトしちゃっているかも!?と我が身を振り返りました。
例えば、すでに完遂したタスクについて、自分に落ち度がある部分があると(すでにタスク自体は終わっているにも関わらず)その落ち度についてくどくど説明してしまう時があります。すべて説明しつくしておくことが「誠実」であるような気がしてしまって。でも、上記アドバイスに照らして考えてみると、タスクは無事に完遂しているのだから、相手にとって、私の落ち度についての説明は、蛇足ですよね。相手にとって知らなくても困らない話はしなくていい。


たぶん、ここまで合理的な恋愛指南本は他にないんじゃないかと思います。
ただ、正直、個人的には、普段から恋愛について久保さんとほぼ同じ対応(不安・不満な状態をずるずるそのままにせず、仕事上の問題解決と同じように扱う)なので「斬新!!」という情報はほぼなかったです。だから、本書がオススメなのは、冒頭にも書いた通り「パッションで恋愛して悩んでる人」です。

尚、普段Kindleで本を購入する方には注意点が1点あります。
Kindle版は固定フォーマットでテキストのマーカーや検索ができない仕様となっています。普段Kindle本を購入される方は、その点気を付けて、場合によっては紙の本を購入された方がいいかもしれません。(小学館さん、ぜひKindleで本を出すときはテキストの検索ができる仕様で出版をお願いします・・・)