今回はWeb資料のなかでもさらに複雑、過去に掲載された資料をgoogleキャッシュやWay Back Machineで拾ってきた場合に、この資料を証拠資料として用いることができるかどうかについて。 例によって今回も『あくまで私見』ですが・・・ 私はこれを証拠資料として提出すること自体は可能、だと思います。 細則B-1には
証拠資料として認められるものは,公刊された出版物で第三者が入手可能なもの,及び,政府の公表した報告書などこれに準ずるもの――インターネット上の情報、独自のインタビューや調査結果など――のみとします。
とありますが、様々なところで解説されるようにこの条文(と、のちに記されている証拠資料引用時に必要な情報等)は要は『第三者による検証が可能である』ということを守っています。 そう考えていくと、今は通常Web上で見ることができない情報であったとしても、キャッシュやWay Back Machineで見つけられる場合には第三者によって検証することが可能であり、証拠資料としてみとめられると言えると思います。   しかし、やはりここでも『証拠資料として提出がみとめられる』ということと『その資料の信ぴょう性が認められる』ということとの間には大きな隔たりがあります。 この問題に関しては 某委員のブログ記事 某元委員のブログ記事 にも詳しく書かれていますが、私はどちらかと言えば『某委員のブログ記事』のほうにスタンスとしては近いように思います。某元委員さんは キャッシュなどの過去に存在した資料に関して
また、上記某ブログでは「著者が自ら公開している場合に比べ、著者自身が意見を変えたために公開をとりやめた可能性などが否めないことも考えれば、その信憑性はキャッシュでない場合に比べて劣ったものとならざるをえない」との見解が記されていますが、この見解には賛同できません。そもそも、著者が意見を変えたことによって、元の資料の証明力が落ちるという前提自体が安易というべきです。見解の変更により旧説が信用できなくなるというのは、新説に理由があるからであって、「新しい」ということ自体には何ら理由がありません。優秀な学者が変な占い師の影響で昔の論文を全部取り下げたという場合を想定すれば明らかです。
とありますが、確かに『キャッシュ=ただちに信ぴょう性を著しく減じる』ということはなかったとしても、キャッシュであり現存しない資料であるということは、少なくともその著者自身は旧説を取り下げたといえる点において、信ぴょう性が減じられる可能性は否定できないように思います。某元委員さんが挙げられている「優秀な学者が変な占い師にの影響で翻弄される」といったような特殊な例の場合は、逆に、証拠を提出する側から、著者の意図には沿っていないその論文が、なぜ、十分に信ぴょう性があると言えるのかを示すべきなのではないではないか、と私は考えます。少なくとも現段階でWeb上に現存していない、取り下げられているということの意図を鑑みれば、通常、その資料は掲載者あるいは著者のどちらかの意思で掲載を取り下げられている。その資料を提出して自分たちの主張を根拠付けようとする側はその推定を覆す理由を説明する必要があるように思います。